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【書籍】18時に帰る「世界一子どもが幸せな国」オランダの家族から学ぶ幸せになる働き方 感想・レビュー

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『18時に帰る』というタイトルに目を引かれ、迷いもせず買ってしまいました。

 

というのも、今の日本の社会で『18時に帰る』つまり定時で帰るというのは困難なことであり、僕自身その状況に嫌気がさしていたため目を引かれたのだと思います。

 

日本では、残業=仕事を頑張っていると見られがちです。

逆に仕事を早く終えて定時に切り上げる人は冷たい目で見られます。

最近では法律も厳しくなり、大手企業では残業を少なくする動きもありますが、まだまだ浸透しきっていないのが現実です。

 

僕はこの本を読んで実に生産的でプライベートを大切にした生き方があるのだと改めて学ぶことができました。

日本が学ぶべき社会性がオランダにはたくさんあります。

 

僕と共感できる「あなた」もこの本を読めば、いろいろと見えてくるはずです。

そしてすぐにでも日本を飛び立ちたいと思うでしょう。

18時に帰る

親の幸せが子どもの幸せに繋がる

よく“子どもは親の背中を見て育つ”と言いますよね。

これは親の行動や言動、生き方など全てにおいて言えることだと思います。

つまり、親が幸せそうに過ごしていれば子どもも幸せになるというのは考えてみれば当たり前のことですよね。

 

オランダでは親が日々の生活にストレスを感じることが少ないようです。

「しなやかに働き、しなやかに生きる」という、働き方や生き方が自由に選べるのです。

そしてそれは個人の考えというわけではなく、社会システムや風土が整っているからこそできることなのです。

 

対して日本の親たち(特に父親)は、仕事に追われ、子どもイベントに参加できないなんてこともよくありますよね。

会社に属す以上、たくさんのストレスを抱えながらも我慢し、プライベートは二の次となります。

 

オランダはこういった面から「世界一子どもが幸せな国」とされているのです。

 

 

 

30年前のオランダは日本と同じ問題を抱えていた

今でこそ「世界一子どもが幸せな国」と称されていますが、実は30年前のオランダは日本と同じように労働環境に問題がありました。

失業率が10%を超える時代もあったようです。

そんな中1982年に「ワッセナー合意」が採択され、国を挙げて“働き方を変えていこう”という流れになってきたのです。

 

ワッセナー合意とは、政労使の三者の代表が話し合い、賃金上昇の抑制などを取り決めた協定のこと。

 

 そこからオランダは更に働きやすい社会を目指し、様々な取り決めを行います。

1996年には「労働時間差別禁止法」という、フルタイムワーカーとパートタイムワーカーの待遇格差を禁止する法律が定められました。

2017年現在日本で導入を検討している「同一労働同一賃金」の考えと酷似しています。

 

その他、労働者側から時間当たりの賃金を維持しまま、労働時間の短縮や延長を要請できる権利を定めた「労働時間調整法(2000年)」、出産・育児休暇について定めた「労働とケア法(2001年)」、補遺行くサービスの供給側へ行っていた育児に関わる補助を、利用者側に対して行うことを定めた「保育法(2005年)」といった法律が採択されました。

 

働き方を改善するために、国を挙げてやってきた結果がしっかりと現れているということです。

 

 

 

生産性を求めるオランダ人

生産性とは、経済学で生産活動に対する生産要素の寄与度、あるいは、資源から付加価値を産み出す際の効率の程度のことを指す。 一定の資源からどれだけ多くの付加価値を産み出せるかという測定法と、一定の付加価値をどれだけ少ない資源で産み出せるかという測定法が在る。

※引用:ウィキペディア

 オランダ人は毎月決められた時間でしか働かないようです。

例えば、毎週32時間労働と決められていたら、毎日8時間を4日間働くということ。

それ以上働くというのはオランダ人として生産性に欠けていると思うのです。

 

もちろん全く残業がないわけではないので、残業をしなければならない場合は、

休みの日家で仕事をしたりすることもあるそうです。

 

ただ、オランダ人の中ではあくまで決められた時間の中でどれだけ高いパフォーマンスをするかが重要です。

毎日8時間では終わらず、人の目を気にしながらぐだぐだ1時間も2時間も仕事をしている日本人はオランダ人にとっては仕事ができない、やる気がないと見られるのです。

 

 

 

パートタイムもフルタイムもなんら変わりはない

上記でも述べたように、オランダでは「労働時間差別禁止法」が定められているためパートタイムもフルタイムも待遇の格差に変わりがありません。

日本だと、パートと聞くと社員より給与が低く、福利厚生などもほとんどないように感じると思いますが、オランダでは全く違います。

パートタイムとフルタイムの違いは働く時間だけです。

なのでパートタイムでも出世することもできるし、フルタイムだから偉いとかもない。

 

だからこそオランダでは、積極的にパートタイムへ移る方も多いようです。

子どもが生まれ、育児と両立を図るためにパートタイムへと移り、自分の時間を確保します。

それを会社で誰一人おかしなことだとは思いませんし、むしろ誰がどう働き方を変えようとも自由なのです。

 

 

 

オランダ人の仕事へのスタンス

「オランダではほとんどの人が18時には帰宅します」

「有給休暇はほぼ100%利用し、企業もそのことを強く推奨しています」

「子どもの送迎のために、始業時間を後倒しし、終業時間を前倒しします」

「必要がなければ会社には行かず、自分の好きな時間、好きな場所で働きます:

「フルタイムワーカーでも1日の働く時間数を少しずつ増やすことで、週に3日休む人が少なくありません」

「数週間の長期休暇を取る人が多く、その間は電話もメールも繋がりません」

※引用:18時に帰る P128

これだけ聞くと、全然働いていないようにも思いますよね。

 

しかし、オランダ人は仕事に対するモチベーションが高いようです。

生産性を求めるオランダ人の特性から、“時間通りに終える”“効率よく働く”ということを念頭に仕事に取り組んでいるようです。

だからこそ、“18時に帰る”ためにも高いモチベーションを持っているのです。

 

そして、個人だけでなく企業自体もいかに生産性を高めるかを意識しています。

「――育成してきた人を失うのは、企業にとっても大きな損失だからです。ましてや育児や出産で失うのは、本当にもったいないことです。」

 ※引用:18時に帰る P138

 これはユトレヒト大学プランテンガ教授との会話の一部を抜粋したものです。

 

 

このことからわかるように、オランダ人は個人も企業もとにかく生産性を求めているのがわかります。

そして生産性を高めるには、従業員がいかに仕事にやりがいを持って続けてくれるかが重要と考えています。

仕事のやりがいを感じるためにもフレキシブルな働き方ができる環境があること、プライベートを充実できることが大切とわかっているのです。

 

 

 

なによりも家族が優先

これは本当に素晴らしいことですよね。

オランダでは仕事より家族が優先という考えがあるからこそ、産休・育休を取得する際に誰も文句を言いません。

家族の時間を多くするためにフルタイムからパートタイムへ移行もします。

誰もが同じように思っているからこそこのような環境ができているのです。

 

日本でも、最近少しずつ取得できるようになってきているところも増えているようですが、まだまだでしょうね。

「仕事より家族を優先しやがって」

「仕事をなんだと思ってやがる」

などと思っている人は多いと思います。

 

オランダ人のようにほとんどの人が家族を優先を考えていればどれだけ平和なことかと思います。

日本の大きな課題ですね。

 

 

 

まとめ

僕はオランダ人の働き方に感動しました。

仕事を楽しく、プライベートも充実させ、なにより家族を大切にする考え方。

まさに理想の形だと思います。

 

日本でも浸透していないだけで、同じように考えている人はきっと多いかと思います。

それでも社会的に古い考えが残っているので実現できない。悲しいですよね。

 

日本がオランダのように変わるならば国を挙げて改革しないといけませんし、まだまだ時間がかかると思います。

 

ただ、そこに期待するのではなく、嫌ならば自分自身が環境を変えてしまえばいいと思います。

 

日本にも日本の良さがありますが、労働についてはまだまだ遅れをとっているということをもう少し理解しないといけませんね。

 

 

本当にとても考えさせれる書籍でした。

是非一度ご覧になってはいかがでしょうか?

 

 

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